ドラッカーからブルー・オーシャンまで一気読み!『経営戦略全史』徹底レビュー

『経営戦略全史』で学ぶ“勝ち続ける会社”の設計図

—100年の知恵を明日の利益に変える方法—

はじめに

「値上げしたいのに競合が怖い」「SNSで話題を取っても利益が出ない」——そんな悩みを抱える若手経営者にとって、戦略の“軸”が無いことほど怖いものはありません。
三谷宏治氏の**『経営戦略全史』**は、フレデリック・テイラーからグーグル創業者まで50名の“戦略の巨人”を通して、経営の原理原則を一本のストーリーにまとめた決定版
本記事では、膨大な歴史を「明日から使える知恵」に変換しつつ、あなたの事業が “利益10倍体質” に生まれ変わるヒントをお届けします。

本書の概要

  • 著者:三谷宏治(KIT虎ノ門大学院教授/BCG・アクセンチュア出身)
  • 出版背景:戦略論が“フレームワーク暗記”になりがちな日本のビジネスパーソンに、歴史と人物軸で学ぶ面白さを伝えるために執筆。
  • 位置づけ:ポジショニング論・ケイパビリティ論・イノベーション論を時系列で統合した入門&総復習書。
  • 特色
    • 50人の理論を1冊で鳥瞰
    • 巨人同士の“仮想対談”で要点を会話形式に凝縮
    • 各章末に図解・索引が豊富で“辞書的”にも使える

どんな人におすすめか

  • 単価アップより値下げ競争を優先してしまう店舗オーナー
  • 事業多角化を考えているが、何を軸に決めればいいか分からない法人化初期社長
  • 「フレームワークを覚えたのに成果が出ない…」と感じるコンサル・士業
  • スタートアップでピボットの判断基準を探している創業3年目経営者
  • 部下に“戦略思考”を体系的に教えたい少人数チームリーダー

本の構成と全体要約

時代・中心人物キーメッセージ
第1章 近代マネジメントの三源流テイラー/メイヨー/フェイヨル科学的管理・人間関係論・統治理論——管理技術の原点
第2章 創世期の戦略論ドラッカー/アンゾフ/チャンドラー「企業は戦略に従い組織を変える」 の誕生
第3章 ポジショニング派の台頭BCGヘンダーソン/ポーター競争優位=外部環境×立ち位置
第4章 ケイパビリティ派の群雄割拠日本企業/コアコンピタンス内部資源の独自性が価値の源泉
第5章 両派の統合バランスト・スコアカード/ブルー・オーシャン立ち位置と強みを融合し差別化×低コストへ
第6章 21世紀の戦略テーマ破壊的イノベーション/リバースイノベーション環境激変と新興国市場への対応
第7章 最後の答え「アダプティブ戦略」グーグル/リーンスタートアップ高速実験と学習で不確実性を味方に

この本で学べること

1. “外部×内部”二軸で考えるバランス感覚

外だけ見れば短命、内だけ見れば独りよがり。両眼視こそ企業を長生きさせる。
外部分析(市場構造・競合)と内部分析(資源・組織文化)を同一フレームで整理することで、戦略のバラつきが消えます。

2. 戦略史=実験の連続と捉えるマインド

テイラーのストップウオッチからリーンのA/Bテストまで、「測って、変えて、また測る」が100年間途切れません。自社でも小さな対照実験を日常に組み込むことで、意思決定がデータドリブンに。

3. “価値の源泉”を時代でズラす発想

  • 1960s:立地・シェア(ポジショニング)
  • 1980s:製造力・品質(ケイパビリティ)
  • 2000s:顧客ネットワーク(プラットフォーム)
    自社の成長が鈍化したら、価値源泉を次の時代軸へ乗り換えるタイミングです。

4. 歴史に学ぶ“戦略の落とし穴”チェックリスト

  1. 数字だけ信仰——GMの衰退
  2. カリスマ依存——アップル以外の“ジョブズなき後”
  3. 成功体験の固定化——日本家電の苦戦
    本書の豊富な失敗事例で、同じ穴に落ちないガードレールを設置できます。

印象的な一節とその意味

「歴史は未来を照らす最良の道標である」
三谷氏は、戦略論の栄枯盛衰自体が“仮説検証の連続”であると語ります。
つまり**「最先端=唯一解」ではなく、過去の試行錯誤を踏まえた上で自社流に再構成する**ことこそ、真に競争を超える道だと示唆しているのです。

実務への活かし方・応用のヒント

  1. “自社戦略年表”を作る
    • 5年ごとに「外部環境」「内部強み」「主な施策」「成果」を記入 → 成功・失敗パターンが見える。
  2. 月1回“歴史から学ぶ読書会”
    • 本書の章ごとに1人が要約し、自社課題に当てはめてディスカッション。
  3. ERRC+歴史視点ブレスト
    • 価値要素を洗い出したら「過去に似た事例は?違いは?」を追記。再発明リスクを低減。
  4. KPIを“学習速度”に寄せる
    • 新施策数/月、実験→判断までの平均リードタイムなどを追い、アダプティブ経営へシフト。

まとめ

**『経営戦略全史』**は、フレームワークの“暗記帳”ではなく、100年分のPDCAを体感できる一冊。
歴史を知れば、流行の言葉に振り回されず、自社に合った“勝ち続ける設計図”が描けます。
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で本書を手に取り、自社の戦略年表づくりに着手してみてください。きっと利益改善の糸口が見えてきます。

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投稿者プロフィール

枝元 宏隆(中小企業診断士)
枝元 宏隆(中小企業診断士)
えだもん
中小企業診断士・ファイナンシャルプランナーとして、補助金・助成金を活用した経営支援や、事業の資金繰り改善、利益最大化の戦略立案を得意とする。独立系FPとして10年以上の実績を持ち、経営者の右腕として全国の中小企業を支援している。利益改善に役立つLINEマガジンも連載中です。