売上より“粗利”が命!一人社長・少人数経営のための経営戦略教科書

「頑張ってるのに、なんで儲からないんだろう…?」

これは、起業1〜5年目の若手経営者がよく抱える悩みです。
実際、売上は上がっているのに、手元にお金が残らない。スタッフの給料も、自分の生活費もギリギリ。
そんな状況に心当たりがある方に、ぜひ読んでいただきたいのが本書――

『小さな会社★儲けのルール ランチェスター経営7つの成功戦略』(竹田陽一・栢野克己 著)

この本の最大の魅力は、「個人事業主や小規模法人」のリアルな経営課題に寄り添っている点です。
しかも、単なる精神論ではなく、**“粗利を中心に考える実践的な経営戦略”**が、具体事例とともに紹介されています。

この記事では、本書のエッセンスをわかりやすくまとめつつ、
「経営初心者がどんなポイントを押さえれば、利益が出せるのか?」を解説します。

読み終える頃には、経営の地図がクリアになり、「何をすればいいのか」が明確になりますよ。


【本書の概要】

  • 著者紹介
     竹田陽一氏は、元・東京商工リサーチの調査員。16年間で3500社を調査し、1600件の倒産現場を取材。
     栢野克己氏は、自らも起業失敗を経験した後、「弱者の戦略」を実践してV字回復したコンサルタント。
  • 本書のテーマ
     小さな会社(=従業員30名以下)が「利益を出すための戦い方」に特化。
     アメリカ発のマネジメント理論ではなく、日本の現場・現実に即した成功戦略を提案しています。
  • ベースになっているのは、「ランチェスター戦略」
     これはもともと軍事理論ですが、ビジネスに応用すると「弱者は弱者なりの戦い方」が導き出せます。

【この本で学べること】

① 粗利を中心に経営を考える

本書が一貫して伝えているのは、**「経営とは粗利(売上−原価)で会社が生きている」**という視点です。

「粗利がなければ、人件費も返済も払えず、企業は死ぬ。つまり、粗利は“会社のカロリー”だ」

経営が苦しくなる会社の多くは、「売上」ばかりに目が行き、原価率や利益構造を見ていないことが原因です。
広告費をかけて新規集客はできても、粗利が薄ければ赤字。
つまり、「売れること」より「儲かること」に集中すべきなんです。


② 弱者には「一点集中」と「地域密着」が最適戦略

大手や資本力のある会社の真似をしてはいけません。
小さな会社が勝つためには、次のようなポイントが必須です:

  • 商品:差別化・専門特化(例:「短髪専門の理容室」など)
  • エリア:営業範囲は狭く。むしろ「絞る」ことでナンバーワンになれる
  • 客層:万人ではなく、自社にピッタリの理想客だけを狙う

たとえば、東京で三流より、地元で一流を目指せ――というメッセージも印象的です。
これはエリア戦略の核心であり、**「範囲を狭めることで強みが際立つ」**という逆説的アプローチですね。


③ 経営とは「営業中心」で考えるべき

人件費管理や経費削減も大事ですが、結局、会社を支えるのは**「お客様からお金をいただくこと=営業」**です。
にも関わらず、多くの独立本やビジネス誌では、営業についてはごくわずかしか触れていません。

本書では、次のような営業の型が多数紹介されています:

  • ハガキ営業で年収2000万円
  • 再訪問スタイルで“断られにくい営業”
  • 主婦パート採用での地域No.1戦略
  • お客様との接点を増やす「ハガキ・電話・名刺」活用

特に、“質より量”という営業の基本も改めて刺さります。

「経営者は、まず“会う数”を最大化せよ」


【印象的な一節とその意味】

「会社という組織体は、粗利益によって生きている」

これは、本書の本質を象徴する一文です。

経営が難しく感じるのは、「何が大事かわからない」から。
でも、この一文を軸にすれば、あらゆる経営判断の“基準”が明確になります。

  • 集客にいくらかけるか? → 粗利が確保できるならOK
  • 広告媒体を選ぶとき → 粗利が出る仕組みになるか?
  • スタッフを雇うかどうか → 粗利が増える見込みがあるか?

つまり、感覚や雰囲気で経営せず、**「粗利起点の戦略思考」**を持つこと。
これだけで、無駄な投資や失敗をグッと減らすことができるのです。


【どんな人におすすめか?】

  • 起業1〜5年目で「売上はあるのにお金が残らない」と感じている方
  • 勢いで独立したものの、経営判断が“感覚頼み”になっている方
  • InstagramやSNSの集客に疲れ、「何を優先すればいいのか?」がわからなくなっている方
  • 商売をもっと“仕組み化”したい一人社長・少人数チームの経営者

とくに、「儲かる感覚」を数字で掴めていない人には、本書が経営の軸になります。


【まとめ】

『小さな会社★儲けのルール』は、
単なる経営論ではなく、「数字」「戦略」「実行」の三拍子が揃った、まさに戦略教科書

  • 粗利重視の経営思考
  • 弱者のための一点集中戦略
  • 営業中心で考える現場感覚

どれも、今日から実務に活かせる内容ばかりです。
「社長になったけど、経営は初めて…」という方は、必読の一冊ですよ!

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投稿者プロフィール

edamon
edamon
えだもん
中小企業診断士・ファイナンシャルプランナーとして、補助金・助成金を活用した経営支援や、事業の資金繰り改善、利益最大化の戦略立案を得意とする。独立系FPとして10年以上の実績を持ち、経営者の右腕として全国の中小企業を支援している。