結果を出すチームは、“リーダーの在り方”で決まる
『“常勝リーダー”だけが知っている』|強いチームをつくるのは、たった一人の“在り方”だった
はじめに

「うちのチームはなんでまとまらないんだろう…」
「自分がいくら頑張っても、メンバーがついてこない」
「結果が出ないと、やっぱりリーダーとして失格なのかな…」
そんなふうに悩んでいる人にこそ読んでほしいのが、本書『“常勝リーダー”だけが知っている チームの心を一つにする技術』です。
著者は、全国高校駅伝で5度の優勝を誇る名将・村田祐造氏。監督として35年間チームを率い続け、1年に1回の“本番”で勝ち切るために、選手の心をどう束ねてきたのか。
本書では、その実体験に基づいた「一体感のつくり方」が、驚くほど平易な言葉で語られています。
これは、スポーツチームだけでなく、小規模な会社、少人数のプロジェクトチーム、部下を持つ若手マネージャーにもそのまま応用できる、“チームマネジメントの教科書”です。
本の概要
本書は、いわゆるテクニカルなマネジメント論ではありません。
「人の心をひとつにするとはどういうことか?」を、ひたすら現場での試行錯誤から導き出した、“感情と信頼”のリーダーシップ論です。
特徴は以下の通りです。
- 理屈ではなく、感情と行動の連鎖を重視したアプローチ
- 「勝つチーム」と「負けるチーム」の決定的な違いの可視化
- 選手(社員)の心に“火を灯す”ために、リーダーが何を意識しているかを言語化
そして何より、「最強のチームは、リーダーが“自分と向き合うこと”から始まる」という哲学が貫かれています。
どんな人におすすめか
本書は、以下のような立場や状況の人に特にフィットします。
■ チームを束ねる役割を初めて任された若手リーダー
「自分にリーダーは向いていないかもしれない…」と感じている人にとって、本書は“何をどう意識すればいいか”の軸を与えてくれます。スキルや戦略ではなく、“在り方”が整うことで自然とリーダーシップがにじみ出る感覚が掴めます。
■ 社員や部下がバラバラで、組織としてまとまらない中小企業経営者
特に5〜10名規模の組織で「トップの意図が浸透しない」「一体感が生まれない」と感じている方にとって、“信頼・尊敬・愛情”をベースにしたチームビルディングの方法は非常に実用的です。
■ 頑張っているのに結果が出ず、チームの空気が悪くなっているリーダー
本書は「結果が出てからチームはまとまる」のではなく、「心が一つになったからこそ結果が出る」と語ります。
勝つチームをつくる前に、“負けない雰囲気”をどう育てるか——この感覚が学べます。
■ メンタルに頼らない“仕組み的な一体感”を築きたい人
「やる気」「根性」ではなく、「行動と言葉の使い方」によって再現性のある“まとまり”をつくる技術が欲しい方にも適しています。
本書の構成と内容
本書は、駅伝監督としてのリアルな体験をベースに、以下のような構成で展開されています。
章 | タイトル | 主な内容 |
---|---|---|
序章 | 常勝チームの秘密とは何か? | リーダーの在り方がチームの未来を変える |
第1章 | チームが崩れる3つの原因 | ①勝ちたい気持ちのズレ ②信頼関係の欠如 ③自分だけの行動 |
第2章 | 「心が一つになる」とはどういうことか | チームが“無敵状態”になる瞬間の条件 |
第3章 | 信頼は行動から始まる | 見えないものを“積み上げる”リーダーの習慣 |
第4章 | 勝ち続けるチームの空気づくり | 「あきらめない」「信じる」「支え合う」が文化になる瞬間 |
第5章 | リーダーとして、まず自分を整える | 内省・共感・肯定から生まれる本物のリーダーシップ |
随所に部員とのやり取りや大会での具体的なエピソードが差し込まれており、実際にその場にいたかのような臨場感と説得力をもって進んでいきます。
この本から得られる学び
■1. チームの雰囲気は“空気”ではなく“設計”でつくられる
本書は、「良い空気がたまたま生まれた」とは一切言いません。
むしろ、勝てるチームの雰囲気は、“リーダーの在り方”と“日常の行動・言葉”によって緻密にデザインされているものだと説きます。
たとえば、「結果が出なかったとき、どう声をかけるか」「選手が失敗したとき、どう見守るか」——その積み重ねこそが“常勝”を支える土台になります。
■2. 心が一つになるには「安心」と「信頼」が不可欠
「勝ちたい」という気持ちを揃えるために必要なのは、“圧力”ではなく“安心感”。
「この人と一緒にいると前向きになれる」「失敗しても受け止めてくれる」——こうした心理的安全性が、選手や社員の“チャレンジする勇気”を引き出します。
■3. リーダーの“言葉”が、チームの未来をつくる
本書では、リーダーが発する日常の何気ない言葉の重みを繰り返し伝えています。
「この一言で救われた」「この言葉が心に刺さった」——勝負の現場では、指示ではなく“信念を言語化する力”こそが心を動かします。
■4. 「行動」は気持ちの後ではなく、“先にある”
やる気が出てから動くのではなく、まず動くから気持ちがついてくる。
この逆転の発想は、選手指導にもビジネスにも共通する原理原則です。
だからこそ、「小さな行動を促す」「行動に意味を与える」リーダーシップが問われるのです。
■5. “常勝”とは、“一体感の再現性”である
一度だけの優勝ではなく、連続して成果を出すチームには、「偶然ではない一体感」があります。
本書では、その再現性を支えている“習慣”“言葉”“在り方”を言語化しており、自分のチームにも応用可能な形で提示されています。
印象的だった一節とその解釈
「リーダーが“本気”になると、チームは変わり始める。」
この言葉は、本書の随所に込められたメッセージを象徴しています。
「本気」とは、気合や根性ではありません。
- 部下や仲間の言葉を“ちゃんと聴く”本気
- 自分の弱さや迷いと“向き合う”本気
- 勝ち負けではなく“人としてどうありたいか”を考える本気
リーダーの本気が、やがてメンバーの“信頼”になり、それがチームを変えていく。
組織を変えるのに必要なのは、ツールや制度ではなく、たった一人の本気なのだと教えてくれます。
読了後のアクションプラン
- 「今日、自分がどんな空気を出していたか」を毎晩5分だけ内省する
- チーム内で「失敗を受け止める文化」があるかを確認し、不安要素を可視化する
- メンバーに“結果以外”で感謝や称賛を伝える言葉を使ってみる
- 月1回、「あなたの思っていることを聞かせて」と対話の時間を設ける
- 「自分がどんなチームをつくりたいのか」をノート1ページに書き出す
まとめ
『“常勝リーダー”だけが知っている』は、リーダーとして“どう振る舞えばいいか”より、“どう在るべきか”を教えてくれる一冊です。
- メンバーを信じる
- 自分を整える
- 言葉を選ぶ
- 空気を設計する
- 本気で向き合う
これらの要素が、リーダーとチームの信頼関係を育み、結果として“勝てる組織”を生み出します。
どれも、すぐにできることばかり。
でも、継続すれば驚くほど強い“絆”と“成果”がついてくる。
まさに「チームづくりの原点」を思い出させてくれる一冊です。
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投稿者プロフィール

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えだもん
中小企業診断士・ファイナンシャルプランナーとして、補助金・助成金を活用した経営支援や、事業の資金繰り改善、利益最大化の戦略立案を得意とする。独立系FPとして10年以上の実績を持ち、経営者の右腕として全国の中小企業を支援している。利益改善に役立つLINEマガジンも連載中です。
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