モバイルファースト＆生成AI対応！小さな会社でも勝てるSEO戦略

2025年3月28日 2025年4月21日枝元宏隆（中小企業診断士）

枝元宏隆（中小企業診断士）

いちばんやさしい新しいSEOの教本｜“E‑E‑A‑T時代”にサイト価値を底上げする最速ガイド

はじめに

売上は横ばい、広告費は右肩上がり。

検索流入を増やしたいのに「何から手を付ければいいかわからない」──そんな悩みを抱える若手経営者・個人事業主は少なくありません。実際、SEOは専門用語が多く「難しそう」と敬遠されがち。しかし本書『いちばんやさしい新しいSEOの教本』は、**“やさしい × 本質的”**という二刀流で、検索に強いサイトづくりをゼロから解説します。

著者陣は国内トップクラスのSEOコンサル会社アユダンテの現役コンサルタントたち。2023年版では「E‑E‑A‑T（経験・専門性・権威性・信頼）」や生成AI／SGEへの対応など“いま困っている”トピックを大幅強化。これ一冊で検索エンジンではなく“ユーザー”に最適化する最新手法が体系的に学べます。

本の概要

著者：江沢真紀、Kogan Polina、西村彰悟（アユダンテ株式会社）
発行：インプレス（2023年11月・第3版）
想定読者：企業の新任Web担当者／中小事業者のマーケター
特色
1. 章構成＝SEOの実務プロセス キーワード調査→サイト設計→内部対策→外部施策→コンテンツマーケ→技術最適化→効果検証──“やること順”に並ぶので迷わない。
2. E‑E‑A‑Tを全編に実装 医療や金融だけでなく「すべての業種で影響が大きい」と位置づけ、サイト単位と記事単位の施策を提示。
3. モバイルファーストインデックス（MFI）完全対応 「Googleの評価はスマホ版ページが基準」と明言し、画面設計や表示速度改善を解説。
4. 生成AI／SGEの最新動向を収録 ChatGPT・Bing Chat・Google Bardの特徴と、AI時代でもSEOが必要な理由を提示。

どんな人におすすめか

読者タイプ	典型的な悩み	本書が応えるポイント
①スタートアップ創業者	広告に頼らず持続的に集客したい	低コストで長期効果を生むSEOの全工程を学べる
②小規模ECオーナー	カートは作ったが検索流入ゼロ	商品カテゴリ設計と構造化データで“売れる導線”を作れる
③ローカルビジネス経営者	Googleマップ評価が競合に負ける	MEO＆口コミ施策をE‑E‑A‑T視点で強化できる
④個人コンサル・士業	自分の専門性をどう示すか不安	権威性を高めるプロフィール＆外部リンク戦略を具体例で提示
⑤Web担当を兼任する事務長	社内に詳しい人がいない	チェックリスト形式で「まず見るべき指標→改善策」を示してくれる

本書の構成と内容

章	キーコンセプト	主な学び
第1章 SEOの目的と考え方	検索順位より「訪問者のニーズ」と信頼性	SEOの本質＝質の高いサイトを長く続けること
第2章キーワード調査	検索意図 × ボリューム × 濃さ	キーワードマップの作り方と検索意図分析
第3章サイト構成	サイトマップ＋キーワード配置	検索ニーズから逆算するカテゴリ設計
第4章画面最適化	スマホUIで“ゼロクリック”対応	タイトルタグ／リッチリザルト／Core Web Vitals
第5章外部施策	サイテーションとソーシャル拡散	シェアボタン配置とUGC管理法
第6章コンテンツマーケ	E‑E‑A‑Tドリブン記事制作	専門家執筆・体験談活用・信頼できる
第7章技術最適化	MFI・表示速度・JSレンダリング	XMLサイトマップとページネーション改善
第8章効果検証	Search Console＋GA4＋Looker Studio	CTRと検索順位の因果を数字で可視化

この本から得られる学び

■1. E‑E‑A‑Tの“4層ピラミッド”でサイト信頼度を設計

経験→専門性→権威性→信頼の順で積み上げることで、Googleだけでなくユーザーからの評価も一貫して高められる。実務では「実体験を含む記事」「資格・受賞歴を示す著者情報」「外部メディア掲載リンク」の3点セットを意識。

■2. モバイルファースト時代の“検索体験”を作る

MFI完了後はPC版よりスマホ版が評価基準。表示速度・ファーストビュー・タップしやすいCTAボタンがCVを左右する。PageSpeed InsightsとLighthouseで定量計測→改善フローを本書が提示。

■3. ゼロクリック増加に備えるリッチリザルト最適化

検索結果に価格・レビュー・FAQが直接表示されるとCTRが平均1.4～2倍に跳ね上がる。構造化データ（JSON‑LD）の実装パターンが図解され、コピペで導入可能。

■4. 生成AI/SGEで変わる“検索ジャーニー”の読み方

生成AIが要約を返す未来でも、参照元リンクとして「信頼できる一次情報」を持つサイトは流入を得られる。ChatGPT世代のユーザーは深掘り目的で公式・専門家ソースを必ずクリックする、という著者の現場肌感が参考になる。

■5. KPIを“順位”から“ビジネス貢献”へシフト

Search Consoleで「ブランド名＋求人」など商談直結KW、GA4でLTVを追うフレームが紹介される。これにより「記事1本＝○○円売上」という経営者に刺さる報告が可能に。

印象的だった一節とその解釈

「どんなにサイトを最適化しても、E‑E‑A‑Tの『経験』『専門性』『権威性』『信頼』が担保できていなければSEOの効果は見込めません。」‡いちばんやさしい新しいSEOの教本

背景

ChatGPTやSGEが話題になり「小手先で順位を上げたい」という誘惑が再燃しています。著者はそれを真っ向から否定。

解釈

SEOはテクニックではなく“信頼の構築”──つまり顧客に価値を届け続ける姿勢こそが評価される時代、という宣言です。

実務応用例

自社ブログを“匿名記事”から“実名＋専門資格表示”へリニューアル
体験レビュー記事には著者の失敗談→改善策→成果を必ず入れる
リリース配信・寄稿で第三者メディアから被リンク＆サイテーション獲得

読了後のアクションプラン

E‑E‑A‑T棚卸し
- 自社サイトの著者情報・会社情報・実績ページを確認し、足りない要素をリストアップ
キーワードマップ作成
- Googleキーワードプランナーで主要KWを取得→検索意図でクラスタリング
モバイルUI改善スプリント
- PageSpeed Insightsでスコア60未満ページを洗い出し、画像遅延読込とCSS圧縮を実装
構造化データ実装
- Product・FAQ・How‑toの3タイプを優先し、Search Consoleでエラーをチェック
ソーシャル証明ブースト
- 口コミ依頼メールテンプレを用意し、購入者レビューを月10件以上獲得

まとめ

本書は“検索順位を上げる本”ではなく、“ユーザーから選ばれるサイト”を作る指南書です。E‑E‑A‑Tを軸に、キーワード戦略から技術面、生成AI時代の思考法まで網羅しているため、実践すれば広告費に依存しない持続的な利益改善が期待できます。検索流入を伸ばし、ビジネスを一段上へ引き上げたい読者はぜひ手に取ってみてください。

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投稿者プロフィール

枝元宏隆（中小企業診断士）: えだもん
中小企業診断士・ファイナンシャルプランナーとして、補助金・助成金を活用した経営支援や、事業の資金繰り改善、利益最大化の戦略立案を得意とする。独立系FPとして10年以上の実績を持ち、経営者の右腕として全国の中小企業を支援している。利益改善に役立つLINEマガジンも連載中です。