「全部自分でやってる人」ほど読んでほしい、外注戦略の決定版

『業務外注化の教科書』|最小の労力で最大の成果を上げる“手放し経営”のすすめ


はじめに

「スタッフもいないし、外注なんてウチには無理…」

「任せても結局クオリティが不安で、自分でやったほうが早い」

「業務を切り出す時間があったら、自分で片付ける」

こうした悩みを持つ小規模事業者・個人事業主は少なくありません。

でも、ちょっと立ち止まって考えてみてください。

“あなたが全部やっているこの状態”、本当に続けていけますか?

本書『業務外注化の教科書』は、そんな「ひとりブラック企業」状態から抜け出すための、“外注戦略の実践マニュアル”です。

著者の山本智也氏は、自身が外注化を駆使して年商1億円を超える事業を運営する実務家。

実際に外注人材を活用しながら「自分がやらないことを増やす」ことで、経営の自由度を最大化してきた経験をベースに、外注化のすべてを体系的にまとめています。

特別なスキルも、資金も、人脈も不要。

「一人で頑張りすぎている人」が“事業を回す設計者”へと進化するための、非常にリアルで再現性の高い一冊です。


本の概要

『業務外注化の教科書』は、経営者・個人事業主が「自分でやらなくても成果を出す」ための外注化ノウハウを体系的にまとめた本です。

単なる「外注のテクニック」や「業者の探し方」ではなく、

  • 外注化すべき業務の選び方
  • タスクの切り出し方と依頼テンプレート
  • 契約・管理・改善の具体的プロセス
  • トラブル防止のチェックポイント
  • 外注人材の“育て方”と“依存しない関係づくり”

といった、戦略と運用の両面をバランスよく網羅しています。

特に注目すべきは、以下の3点です。

  1. 実体験に基づいた“使える事例”が豊富
  2. 外注相手の心理・特性にも踏み込んだコミュニケーション設計
  3. 「人に任せるのが苦手な人」のための思考整理パートが丁寧

本書は、外注化がうまくいかない“本当の原因”を可視化し、読者に「これならできそう」と思わせてくれる実践的な教科書です。


どんな人におすすめか

本書は、以下のような悩みや課題を持つ経営者・個人事業主に特におすすめです。


■ 自分が“全部やらないと”会社が止まる状態になっている人

現場対応、経理、集客、SNS…すべてを一人で抱えて疲弊しているなら、本書が“手放しの設計図”を与えてくれます。まず「切り出す基準」がわかれば、最初の一歩が踏み出せます。


■ スタッフを雇うのはハードルが高いと感じている人

正社員の雇用は固定費リスクが大きい。そう感じている方にとって、「リスク分散しながら機能を強化する手段」として外注化は最適解。本書ではその導入法と注意点を具体的に学べます。


■ 外注を依頼したけどうまくいかなかった経験がある人

「結局、自分でやり直す羽目になった」「やりとりに時間を取られすぎた」——本書ではそうした失敗例をケーススタディ形式で紹介し、何が問題だったのか、どう改善すべきかを提示しています。


■ 拡大・複業・事業分割を検討しているが手が回らない人

新規事業に着手したくても、既存業務に追われて何も動かせない…という経営者にとって、外注化は「自分の時間を取り戻す」ための唯一の選択肢になりえます。本書では時間確保の設計法も網羅しています。


本書の構成と内容

本書は以下のようなステップで構成されています。

タイトル内容概要
第1章なぜ外注化が必要か「自分でやる限界」を超えるための思考転換
第2章外注化に向く・向かない業務の見極め方タスクの切り出し方と優先順位のつけ方
第3章外注先の探し方・選び方クラウドソーシングから直契約までの実例と判断軸
第4章失敗しない依頼・契約・運用トラブル回避のチェックリストとテンプレート集
第5章長期で活躍してもらうための関係構築術依存せず、信頼し合える“外注パートナー”の育て方
終章外注化で得られる“経営の自由”とは社長が自由になることが、会社の利益につながる理由

章ごとに「チェックリスト」や「外注指示テンプレート」も用意されており、読みながら自社にすぐ応用できる実践設計になっています。



この本から得られる学び

■1. 「自分でやった方が早い」は、経営を止める最悪の口ぐせ

多くの経営者がつぶやくこの一言。

本書では、「早さ」ではなく「再現性」「分担」「持続可能性」で判断せよと明言されています。自分でやる癖を手放すことこそが、事業を成長させるための最初の一歩です。


■2. 外注化は“業務を切り出す力”が9割

「誰に頼むか」より先に、「どの業務をどう切り出すか」が圧倒的に重要。

本書では“依頼できる形に分解する思考法”が丁寧に紹介されており、ここが曖昧なままだと失敗する、というリアルな現場感が貫かれています。


■3. 優秀な外注パートナーは、報酬よりも“接し方”で決まる

指示の出し方、返事のスピード、報酬交渉の姿勢——

外注パートナーとの信頼構築は「技術」ではなく「習慣」で成り立っています。本書では、長期で付き合える人材をどう見極め、どう育てるかが詳細に書かれており、単なる一過性の業務委託で終わらせない工夫が学べます。


■4. 小さな外注から「経営の仕組み」をつくることができる

1件のSNS投稿、1枚の請求書発行、1時間の録音文字起こし——

こうした“超小さな外注”こそが、業務の構造化と仕組み化の第一歩になると本書は教えてくれます。仕組み化=システムではなく、「人との連携で時間を増やす」という等身大のアプローチが特徴です。


■5. 社長の自由が、会社の利益を生む

本書の核心はここにあります。

社長がプレイヤーで居続ける限り、組織は拡張できない。

経営者が「意思決定」と「関係性構築」に集中するためには、“現場を手放す構造”が不可欠であり、それを可能にするのが外注化という選択肢です。


印象的だった一節とその解釈

「社長が“やる人”でいる限り、会社は“伸びない人”で終わる。」

この一節は、多くのスモールビジネス経営者にとって痛烈な警鐘です。

「自分が一番動けるから」と動き続けるうちに、社長が成長を止めてしまっている。

本来、経営者は「やる人」ではなく「回る仕組みをつくる人」。

この視点が欠けると、いくら頑張っても売上と時間は比例しない。本書はその現実を突きつけ、「脱・プレイヤー思考」へのシフトを促してくれます。


読了後のアクションプラン

  • 自分の業務をすべて書き出し、「自分でなくてもできること」に◯をつける
  • 1日15分だけ、タスクの“依頼用テンプレート”を作成する時間を確保する
  • クラウドワークス・ランサーズ等で“小さな依頼”からテストを始めてみる
  • 外注パートナーと業務を“チャットで完結する”よう設計してみる
  • 「今、自分がやっているこの業務、本当に自分がやるべきか?」と日々自問する

まとめ

『業務外注化の教科書』は、すべてを自分で抱えてしまう経営者にとって、“経営を変える分岐点”となる一冊です。

  • 自分でやらない勇気
  • 手放すための分解力
  • 任せるスキルと設計力

この3つを丁寧に解説しながら、「外注化=経営の仕組み化」であることを教えてくれます。

組織を持たず、最小限の労力で最大の成果を上げる。

そのための“現実的で今すぐ始められる外注戦略”がここにあります。

「まだ人を雇うのは早いかも…」という人にこそ、最初の1ページを開いてみてください。

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投稿者プロフィール

枝元 宏隆(中小企業診断士)
枝元 宏隆(中小企業診断士)
えだもん
中小企業診断士・ファイナンシャルプランナーとして、補助金・助成金を活用した経営支援や、事業の資金繰り改善、利益最大化の戦略立案を得意とする。独立系FPとして10年以上の実績を持ち、経営者の右腕として全国の中小企業を支援している。利益改善に役立つLINEマガジンも連載中です。